開き扉

木製建具金物アドバイザーhk/平ギボシ丁番(標準金物一式)について

平ギボシ丁番(標準金物一式)について

建具の中で「開き扉(ドア)」を吊る丁番の種類で、平ギボシ丁番を解説していきます

標準金物一式として、製作建具(ドア)で広く使用されています。ユニットドア(規格製品)では調整丁番等が同梱されていることが多いです。丁番は他にも沢山の種類がありますので別記事で個別に解説します

代表的なメーカーと品番はこちら

ベスト製No.130 この品番を含むカタログ

丸喜金属(MK)製S-472 この品番を含むカタログ

ニシムラ(アーチ)製No3551 この品番を含むカタログ

特長や詳細な解説

  • 材質・・・ステンレスSUS304製が標準です。サビ・変形に強く、長期にわたりメンテフリーで運用できます。以前は鉄製もありましたが、サビや変形のリスクがあるので現在はほぼ使われません。真鍮製もあります。真鍮製は経年変化により、緑青(りょくしょう)を吹きますが、その変化を楽しむなど意匠にこだわった箇所で使用されます
  • サイズ・・・4インチ×4インチ(102ミリ×102ミリ)板厚2ミリが標準です。国交省仕様では建具(ドア)の高さ1800ミリ以下は2枚吊となっていますが、現在ではほぼすべての建具(ドア)が1800ミリより高くなっていますので、3枚吊が一般的です。大きく、重さのある建具(ドア)の場合に5インチ×4インチ(127×102)を使用したり、建具枠から内に建具(ドア)を納める場合に5インチ×5インチ(127×127)を使用することもあります
  • 色・・・ステンレスSUS304製ヘアライン仕上げが標準です。カラーバリエーションは(以下ステンレス製として)ヘアライン・ブロンズ(アンバー、古代~と呼称するメーカーもあり)・ゴールド(メーカーにより色味はさまざま)の3種類が一般的になります。素地ステンレスをベースにした焼付塗装品の黒、白もあります。ステンレス鏡面仕上げ、仙徳色仕上げなど、各メーカーでいろいろなメッキ色を出していますが、基本的にはレバーハンドル錠の色味と揃えることが多いです。真鍮製の平ギボシ丁番も同じくレバーハンドル錠と材質と色味を揃えるために選ばれます
    • その他バリエーション・・・リング入りステン平ギボシ丁番があります。丁番軸に樹脂製リングを挟み、金属同士が擦れ合う音を軽減するものです。海に近いエリアで塩害対策に使用されている例もありました。扉重量が重いと擦り減るとの指摘もあります
    • 付属ビス・・・ステン皿木ねじ(3.5×20or3.5×25)が付属しています。鋼製枠ではステン皿小ねじ(3.5×10 D7子頭)を別途用意する必要があります
    • 鋼製枠での使用について・・・鋼製枠を製作するメーカー(製作工場?)によりステンレス製平ギボシ丁番のビスピッチが微妙に異なります。鋼製枠の中に裏打ちする下地のビスピッチ次第になります。鋼製枠製作段階でサンプルを提出し、打ち合わせておくことが肝心です
ステンレス製平ギボシ丁番1枚の価格はヘアライン<ブロンズ(ヘアライン×2倍)<ゴールド(ヘアライン×3倍)ぐらいになりますので、金物の色味を決める際には価格のことも想定しておいてください!

建具(ドア)を木枠、鋼製枠に吊り込む際、平ギボシ丁番以外にも旗丁番、フラッシュ丁番、ピポットヒンジ、フロアヒンジ、調整丁番、隠し丁番などがあります。どれも一長一短あるので、それぞれ個別で解説していきます

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平ギボシ丁番の平は丁番の軸の両端が平なことを表します。対して装飾ギボシ・三角ギボシなどのバリエーションがあります。ギボシとは仏具や寺社仏閣の建築装飾で見られる(例:日本武道館のてっぺん)タマネギみたいなもののことです
文責:木製建具金物アドバイザーhk

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